【美術刀特注講座第6回】
鍔の種類
今日触れますのは美術刀の鍔です。
…とはいっても、美術刀の鍔については、そう多く語るところはありません。
「脇差用の鍔は脇差にしか使えない」という制限があるくらいで、
それ以外の刀身による制限などは基本的にあんまり無いですかね。

なお大刀用の鍔を脇差に組み込むことは可能ですが、穴が大きいので完成後に鍔がある程度動きます。
それから厚さが鍔毎に違いますので、完成後の美術刀の鍔のみをチェンジするのは困難です。
技術と道具次第では出来る人も居る、という程度でしょうか。

ちなみに短刀の鍔については短刀以外に使えませんので、ここでは割愛しています。


■というわけで■

今日も過去扱ったもの、店頭にあるものから、可能な限り美術刀の鍔を集めました。
今日掲載したもので全てではなく、また今後新型、メッキバリエーション等が増える可能性があります。
まぁ増えたら後日追加していこうかと思います。

大小揃いの鍔

龍図/黒
一番ベーシックで一番安い。他の黒と仕上げが違います。
黒石目U山査子など安価な大小で使用。

龍図/金
左の金鍍金版。
…実は黒と図は同じだが厚さが違う。

龍透かし
丸型に大きな龍が透かしてある形。
近藤大小、龍馬大小の鍔。

海鼠透かし(武蔵)
文字通り武蔵拵の鍔。
武蔵拵のためだけにあるといっても過言でない。
大小揃いの鍔をご所望の場合、選択肢は以上となります。
…まぁ少ないですね。
大刀の鍔を無理矢理脇差に付けるイレギュラーを除けば、
基本的に脇差用の鍔は以上のみとなります。

大刀のみの鍔

松透かし/黒
シルエットが特徴的。
曇華などで使用。


松透かし/金 松透かし/銀
松透かし図は、数少ない黒金銀三色揃った鍔です。

太刀鍔/黒
厳密には他の黒と処理が違ったりします。
沖田黒文字など、主に半太刀、太刀で使用しています。


太刀/金 太刀/銀
なお、別に半太刀拵でなくても使えます。

喰出鍔/黒
最も小さく、薄い鍔。
ただし価格設定は他より若干高めです。

喰出鍔/金
価格が高い原因は、
薄さゆえ調整が難しいから、ということらしいです。

梅透かし/二色
二色鍍金なぶん、他より高額な鍔。
織田信長拵がやや高い原因の一つです。

梅透かし/銀
左の銀鍍金版です。単色なので此方の方が安価です。
…金単色もあったかも?気のせいかもですが。

車透かし(小)/黒
小振りな車輪型。
無患子/Nとかで使用。

車透かし(小)/銀
大振りなのはこの後出てきます。
寒芒参型で使いました。

七夕図
通称土方鍔。
現物が有名なのであらゆる規格で同型の鍔が作られています。

木瓜鯉図
鯉の滝登り図というべきか。
裏には富士山も。

鶴丸
文字通り鶴丸紋を象った鍔。
意外にも、今のところ金しかありません。

八つ木瓜に桐紋
これも名前どおり。金メッキと黒メッキが存在します。
桐紋好きならオススメ。

車透かし(大)
鍔単品紹介で車輪透かしと書いていますが、
小と差別化のために改名しました。

木瓜桜図
言わずと知れた凍桜の鍔。
小振りでステキ。

違え十字透かし
斎藤一拵の鍔。

獅子牡丹図
表に獅子、裏に牡丹。図は昨日の更新参照。
二色なので他より高いです。

菊透かし
文字通り菊紋を象った鍔。
芹沢鴨の鍔でもあります。

海鼠透かし(輪型)
海鼠透かし図は多いので名づけが困難です。
伊達政宗拵の鍔で、文字通り輪状です。

海鼠透かし(木瓜型)
柳生十兵衛拵の鍔。
名前の通り木瓜型なのが特徴です。

海鼠透かし(小判型)/金
透かしが小さめで小判型。
画像の金のほかに、黒もあります。画像は無かったけど。

木瓜四方透かし/黒
四方海鼠透かしと呼ぶ場合もありますが、
海鼠が多すぎるんで変えました。他に金もあります。

笹竹透かし
文字通り笹竹図の透かし鍔。
加藤清正拵などで使用。

松に鷹図
明智光秀拵に使用。
没個性的なので他の商品では使ってないですが。

卍図
黒斬剣/Nの鍔ですな。
逆に特徴的過ぎて他では使いづらい鍔です。

大十文字鍔
星斬剣の鍔。
あまりの大きさにこの鍔の為の専用箱が作られました。

無地丸鍔(魚子地風)
最も地味な鍔。
地味だからこそ三代村正とかA7M1に使いやすい。

瓢箪透かし
やや小振りで瓢箪が透かしてあります。
村正の鍔でもありますな。

木瓜型紗綾紋風
木瓜型の鍔一面に、
和柄の紗綾風の文様が入ってます。

木瓜型波透かし
木瓜型のシルエットに波を透かしています。
これと下2枚の計3種は表面処理が他と違います。

秋草図
様々な植物をあしらった図です。
表面処理は燻し銀といったところでしょうか。

桜川透かし
網に桜で桜川というそうなので名前もそっちにしました。
桜の意匠は人気ありますね。

…と、大体以上のようになります。
まぁ同メーカーの鍔は他にも結構な種類があるんですが、とりあえず扱った事がある範囲の紹介となります。
(;´ω`)<まぁ、中には「いやそれはちょっと…」ってのもあるが。

なお、鍔の種類は増える可能性がありますが、
一方で減る可能性もあります。
実際旧曇華の鍔である四角い松透かしは絶版になりましたし、
ここで挙げた黒の鍔は、以前全て龍図/黒の黒と同じ仕上げだったのが、
現在全て黒鍍金に変わっていたり、などの変遷があります。
(`ー´)<逆に龍図/黒は何故いつまでも旧仕上げのままなんだろうな。
(;´ω`)<不明です。

まぁ、減ったら減ったで上のリストが書き換わるだけなんですが、
「いつまでも、あると思うな既存品」ということで宜しくどうぞ。