【美術刀特注講座第9回】
拵短刀の特注について
さて今回は、美術刀の中でも特殊な拵について紹介していきます。
今回紹介しますのは「拵短刀」です。


■拵短刀の概要■

初登場の際にも色々掲載していますが、他の美術刀同様、特注が可能です。
ただ、他と形状やサイズが大きく異なる点から、拵短刀の特注には独自の制限があります。
(;´ω`)<まぁ、なんでもかんでも同じようには出来ないですよねー。


■拵短刀の出来ること、出来ないこと■

というわけで、拵短刀の出来ること出来ないことについて、
順次紹介していきます。
なお、以下の記載にはこれまでの特注講座を読んでもらっているのを前提に記載している部分がありますので、
予めご了承下さい。


@刀身と刃文

現在、一種類しか存在しません。
画像の刀身、刃文になります。
刀身の特徴については初紹介時の記事が詳しいです。
刃渡り約七寸(約21cm)で、元身幅約2,6cm。


A柄下地

現時点では黒しか存在しません。
(;´ω`)<って一行で終わりかい。
(`ー´)<これ以上書きようもないしなぁ。見た目は次の画像を参照してくれい。


B柄金具

目貫は現状、短刀専用の金目貫のみとなっています。
縁頭は通常の黒、金、銀と、頭の丸い肥後型(黒のみ)が使用可能。
通常と肥後型は上の画像(下の丸いほうが肥後型)参照。
金と銀はこの辺の記事参照。
(`ー´)<他にも使える可能性のあるものはあるんだが研究中だったりする。


C柄巻、下緒

普通の美術刀の柄巻、下緒と同じものを使用可能です。
柄巻の種類については美術刀特注講座の柄巻についてをご参照。
下緒は柄巻と同じ色がある他、多色のものを美術刀特注講座の第8回(7/4)で紹介しています。
なお、合皮柄巻、下緒のみ若干値段が上がります。
(`ー´)<あー、それから短刀の下緒の長さはメーカーで決まりがないらしく、個体差があります。
(;´ω`)<長さにあわせて見栄えするよう、当店で結び直してます。


D鍔

画像がメーカー標準の短刀鍔です。同型で金鍍金もあります。
これ以外ですと、径が更に小さい喰出鍔も使用可能です。以前特注等で使っています

これ以外の美術刀用鍔も理論上は付けられるんですが、
サイズ的に全く似合わなかったり、箱に入らなかったりするので割愛しときます。


E鞘塗

塗りについては、同メーカーの鞘塗が殆ど使用可能です。
また塗布面積が狭いことから、鞘の塗り方による価格差がほぼありません。
バリエーションについては、第7回の「鞘塗」をご参照下さい。


また、二色切り返し塗りも可能ですが、この塗り方のみ他より若干値段が上がります。
まぁ単純に手間が掛かる分といった感じですね。


Fその他

画像の突兵コジリをつけることが可能です。
まぁ、勿論金具増えた分価格も上がりますが。
また、大刀の鞘加工各種(印籠、千段風、縦篠など)は出来ません。


…といったところで以上、短刀に出来ることでした。
根本的な仕様が違いますので、どうしても普通の美術刀より出来ることが減りますが、
それでも鞘塗を始め結構色々特注できますな。
(`ー´)<ま、これからバリエーション増える可能性もあるしね。


■そういうことで■

以上、短刀についてのおおまかな紹介でした。
廉価で小振りですので、比較的気軽にご利用頂けますし、御希望ございましたらどうぞどうぞ。