【美術刀特注講座第4回】
柄下地、柄金具
今回解説しますのは、「柄下地」と「柄金具」です。
この二つは密接な関係にありますので、まとめて説明する必要がございましてな。
(`ー´)<詳細はのちほど。


■柄下地■

居合刀の場合、柄はベースが木で、鮫皮を貼るという構造になっていますが、
美術刀の柄は、芯まで樹脂製です。
樹脂製の柄の表面に、鮫皮のようなブツブツのモールドがあるのが、美術刀の基本的な柄下地です。

現在特注可能なメーカーで生産されている柄下地は以下の通り。


判りやすくする為、金具、柄糸は(一番下以外)そろえました。
柄下地の色にのみご注目下さい。
上から順に白/黒/赤/脇差白/脇差黒/薩摩柄となっております。

柄下地は基本三色(白/黒/赤)で、脇差は今のところ赤が存在しません。
右京血桜大小の柄下地の色を揃えられないのも、そもそもメーカーに脇差の赤柄下地が無い為です。
(`ー´)<そのうち出来る可能性はあるけどね。

なお、薩摩柄は柄下地表面にシートを貼ってありまして、
このシートが三色(黒/茶/白)あるようです。
(`ー´)<まぁ白はやったことないんで、見たことないんだけどね。

また、上記の他に特殊な柄下地として、


沖田総司拵の錦地というものがあります。
これは白柄に派手な布を巻いてあるわけですな。
布の部位によって見え方が微妙に変わったりします。
(`ー´)<なお、今のところこの柄下地は沖田の柄金具(黒太刀金具…後述)のみにおいて使用可能となります。
(;´ω`)<今んとこね。


■柄金具■

この場合の柄金具は、「縁/頭」「目貫」を差します。鍔は別枠でやります。
美術刀においては、「縁/頭」と「目貫」は基本的にワンセットで運用されます。


とりあえず基本的なのがこんな感じです。
先ほど同様、柄の両端の縁頭、中ほどの目貫にのみ注目してください。
画像上から順に、黒/銀/金/肥後/太刀黒/太刀金/太刀銀となります。
(;´ω`)<…なんで普通のと太刀で黒金銀の順番違うの。
(`ー´)<並べる時に間違えた!てへっ!

まず、目貫の形状は全て同じ(龍図)です。
黒/銀/金はいずれも同じ形状(龍図の縁頭)で、表面処理(鍍金)が違います。
肥後は黒鍍金のみで、柄頭が丸いのが特徴です。
太刀の黒と金は同型で、銀は違う形になっております。
(`ー´)<以前同型の銀もあったんだけど、現在はありません。
(;´ω`)<後々復活する可能性はあるけどね。

そして特殊なものとして…


(画像上)縁頭銀に虎図目貫
(画像下)縁頭黒に馬図目貫


…という組み合わせが存在します。
その他、縁頭が黒で目貫が金の龍図という組み合わせもあります。…現物がないので画像ないけど。
(`ー´)<機会があれば撮影して載せたい。

基本的にワンセットなので、例えば虎目貫で黒縁頭にするなどは(今のところ)出来ません。
(;´ω`)<ただし後々メーカー新商品の追加などで、出来るようになる可能性はあるんだけど。


■柄下地と柄金具の組み合わせについて■

さて、ここまで挙げました柄下地と柄金具なのですが。
このふたつの組み合わせに関して、ひとつ制限がございます。

「柄下地と柄金具(縁頭/目貫)は、メーカー既製品に存在する組み合わせしか出来ません」

はいここテストに出るよー。
ある意味縁頭と目貫の関係と同じなのですが、メーカー通常仕様にある組み合わせでないと出来ません。
結果として特殊な部品のもの(薩摩柄、沖田の錦地、虎や馬の目貫など)は、
かなり組み合わせが限られます。

…なお、実は少々例外があるんですが…まぁ、それを詳しく書くのは無意味なのでやめておきます。
(`ー´)<メーカー既製品にはないけど武装商店別注品にはある仕様とか、一部ございましてな。
(;´ω`)<ま、そこは言ってもややこしくなるだけなんで、あんまり気にしないで下さい。


■じゃあ実際特注やるときはどうすればいいの?■

以上を踏まえた上で、ではお客様が特注をする際にはどうすればいいか。

方法1:当店商品リストなどを元に、お気に入りの組み合わせを探し出す
実際の商品として存在する組み合わせであれば製作可能なわけで。
一番単純な方法ですな。

…しかしながら、当店でメーカー既製品を全て扱っているわけではありませんので、
当店取り扱い品に無くても出来るものがある可能性がございます。
そこで第2の方法ですが…

方法2:気にせず好きな組み合わせを提示する
はい、言っていただければ出来るかどうかこちらで調べますので、お気軽にどうぞ。
その為の店員です。
(;´ω`)<なお、調べる為にお時間を頂く場合がありますので予めご了承下さい。
(`ー´)<扱ってないメーカー既製品、結構あるからなー。

ちなみに店員は方法1の方が楽なので、方法1超オススメです。マジオススメ。
(;´ω`)<おいこら。
(`ー´)<…いや、完成品のイメージをしやすいという意味でも方法1をオススメなんですじょ?

というわけで以上、柄下地と柄金具についてでした。